1. TOP
  2. ゾンビ映画を”発明”した、巨匠ジョージ・A・ロメロ氏のゾンビ映画「 サバイバル・オブ・ザ・デッド 」

ゾンビ映画を”発明”した、巨匠ジョージ・A・ロメロ氏のゾンビ映画「 サバイバル・オブ・ザ・デッド 」

2016年05月04日 (水) - 16:03:26 (JST) ゾンビ映画
この記事は約 5 分で読めます。

ゾンビ映画を発明した、巨匠ジョージ・A・ロメロ氏の最新作。前作「 ダイアリー・オブ・ザ・デッド 」のチョイ役州兵を主役に据えた続編的作品です。

ゾンビ映画の「おとうさん」とも言って過言ではない、ジョージ・A・ロメロ監督について少し紹介します。御年74才1940年生まれの戦前派。28才の時に撮った”ナイト・オブ・ザ・リビングデッド”でモダンホラー界にゾンビをデビューさせました。興業的には失敗しましたが、のちにカルト的な評価を得ます。78年に発表した”ゾンビ”で不動の地位を築きます。基本は独立系の監督ですが、2005年にはハリウッドに招かれ”ランド・オブ・ザ・デッド”を撮影し名実共に巨匠になりました。

自ら盟友と呼ぶ”モダンホラー小説の旗手”スティーブン・キング氏との共作もいくつかあります。82年の”クリープショー”では、監督をロメロ氏、脚本・主演(!)をキング氏が担当しました。ハリウッドには距離を置いているロメロ氏ですが、キング氏原作の”ダーク・ハーフ”ではメジャースタジオでメガホンを取りました。

若手、中堅監督からのリスペクトも多く、ザック・シュナイター監督(ウオッチメン、300他)がゾンビのリメイク”ドーン・オブ・ザ・デッド”(ゾンビの原題)でデビューしたり、ロメロ氏のマイナー作”クレイジーズ”もリメイクされています。熱心なオファーにより、ロメロ氏自らチョイ役で数々の映画やゲームに出演しています。

前作”ダイアリー・オブ・ザ・デッド”では、POVを取り入れるなど常に進化している監督です。

サバイバル・オブ・ザ・デッド のあらすじ

ゾンビパンデミックから4週間後、プラム島も例外では無かった。住民がゾンビ化し生者を殺害しはじめた。島の二大権力者の対応が原因で島はまっぷた つに別れお互い敵対してしまった。それはゾンビ排斥派オフリンとゾンビ擁護派マルドゥーンである。人数にモノを言わせオフリンを島外に追放したマルドゥー ン。だが追放されたオフリンは一計を案じ、ネットに”プラム島は安全”とデマを流した。無関係な人たちをプラム島に送り、島を混乱させるのが目的である。

アメリカ本土でも、次々とゾンビに感染する州兵たち。もはや軍隊ですら体裁を保てなくほどゾンビが街に氾濫してしまった。生き残るためサージは軍に 見切りをつけ、仲間と共に安全な場所を探していた。そんな時仲間の1人がネットで奇妙な動画を見つけた。白髪の老人が「安全なプラム島では難民を受け入れ ている。」と宣言しているのだ。行くあても無いサージはプラム島に向かうのだが・・・

 

サバイバル・オブ・ザ・デッド のみどころ

20世紀ゾンビ三部作(ナイト オブ ザ リビングデッド ゾンビ 死霊の餌食)と比べ、21世紀ゾンビ三部作(ランド・オブ・ザ・デッド ダイアリー・オブ・ザ・デッド サバイバル・オブ・ザ・デッド)では、より明確にロメロ監督のメッセージが描れるようになりました。

ランド・オブ・ ザ・ デッドでは、一部の特権階級が安全な高層ビル最上階に住み、多くの人たちが特権階級の生活を支えるため、ゾンビが徘徊する廃墟で生命と引換に物資調達を行う姿を描きました。これは格差社会への問題提起です。

ダイアリー・オブ・ザ・デッドではネットに氾濫する情報の精度に警鐘を鳴らしました。

今作はズバリ”戦争”です。これには元ネタ映画がありまして、”大いなる西部”(1958年グレゴリー・ペック主演)です。ある町の住人たちが、水 源の権利を奪い合い争います。最後には”なぜ争うのか?”すら曖昧になったまま争い双方全滅してしまうストーリーです。ロメロ氏は換骨奪胎をねらったんで すが、上手くいったとはおもえません。なぜならオフリンとマルドゥーンの対立する理由が弱いのです。

生き残るためにゾンビ狩りを行うオフリンは理解できます。幼いくしてゾンビになった子供を始末する時に苦悩する描写など、観客が共感できるようなキャラクターとして演出してます。

一方、マルドゥーンは”ゾンビは病気かもしれない。いずれ治療方法が見つかるまで生かしておく”スタンスです。生者より死者のほうが多い状況で、こ の考えに賛同できますか?確かにマルドゥーン家では死亡した家族にきれいな衣装を着せ、化粧させたあと撮影した写真を飾るとかちょっと”アレ”な一族をに おわすシーンもありますが、それぐらいではゾンビを殺さない理由としたては弱く、納得できません。私が日本人なのが原因かもしれません。欧米人と宗教観、 生死観が違いますから。

ラストシーンはビジュアル的には大成功です。満月をバックにゾンビとなったオフリンとマルドゥーンがまさに”なぜ争うのか?”すら分からない状態で 銃を抜きます。文字どおり死んでも憎しみに支配されるまま引き金を引く二人に嫌悪を感じました。さすが巨匠見事な着地です。

が、やっぱり納得できないんですよね。

「 28日後 」は「恐怖」と「暴力」が素因のレイジウイルス爆発感染を描く物語

 

文:こんちゃん

映画のタイトル(原題) サバイバル・オブ・ザ・デッド
オリジナルタイトル:SURVIVAL OF THE DEAD
監  督 ジョージ・A・ロメロ
出  演 アラン・ヴァン・スプラング ケネス・ウエルシュ キャスリーン・マンロー
製作・配給会社 マグノリア・ピクチャーズ
公式サイト http://magnetreleasing.com/survivalofthedead/ 
公 開 日 2010年6月12日
上映時間 90分
著作権情報 すべての映像及び画像の著作権はすべて著作者に帰属します。
スポンサードリンク広告

執筆者:戦争が好きだッ! さん

\ SNSでシェアしよう! /

戦争映画が好きだッ!の注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

戦争映画が好きだッ!の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介

戦争が好きだッ!

戦争が好きだッ! さんが書いた記事

  • 「 シルミド 」は時代に翻弄された囚人兵の生きざまを描いた戦争映画

  • 「連合艦隊司令長官山本五十六」は当時の日本海軍の様子を知るのに非常にわかりやすい映画です!!

  • 何度見ても引き込まれる戦闘シーン!「ブラックホークダウン」の魅力

  • 2014年公開の戦争映画「 フューリー 」は、ブラピ主演ながら戦車主役の戦争映画

関連記事

  • 新感染 ファイル・エクスプレス (原題:Train to busan)は、韓国ゾンビ映画の最候補作品だと思う。

  • ゾンビ映画「 28日後 」は、レイジウイルスによるゾンビハザード爆発感染が見どころ