エレファントカシマシ35周年のツアーライブに行ってきた。
思い返せば、私がエレカシに出会ったのはもう27年も前になる。彼らの『悲しみの果て』を聴いて、すぐ好きになった。
シンプルで骨太なロックサウンド、宮本浩次のまっすぐな歌声に抗いがたい魅力を感じた。
当時中学二年生だった私は、今はもうアラフォー。時の流れは早いものだ。常にオールタイムで彼らの音楽をずっと聴いてきたわけじゃない。
でも、青春時代から、エレカシの音楽はいつもそこにあった。春になれば、ラジオからかかる『四月の風』を聴いて、季節を実感し背筋をしゃんと伸ばして歩く自分がいる。
ライブ当日、私はアリーナ席の真ん中にいた。エレカシのライブは何度か行ったことがあるので、久々の高揚感。
会場を埋め尽くす人の熱気を感じながら、登場を待った。
エレファントカシマシが、宮本浩次がステージに現れた瞬間、歓喜の波に包まれた。
あの細身の体から放出されるエネルギーの熱量といったら、本当に凄いんだから。
手の届く距離にいるわけではない、でも、私は手を伸ばした。彼らこそ、日本を代表する本物のロックンロールバンドだ。
近づきたい、近づきたい。気づけば、その気持ちが抑えきれなくなっていた。
ここからは私事になるが、エレカシと出会ってから40歳になるまで様々な紆余曲折を経験した。
楽しさばかりではなく、辛いことのほうが多かったかもしれない。
それも自分の立ち回りの悪さ、要領が良くない面からきているのは間違いなく、あっけなく世間から叩きのめされた。
そんな時にエレカシに励まされたこともあったが、『さあ、頑張ろうぜ』というメッセージに背をそむけ卑屈になっていた時期もあった。
それでも、彼らの歌は、いつも変わらずそこにあった。当たり前にあったのだ。
そのかけがえのなさにようやく気付くことが出来たのがここ最近なのだ。
エレカシが好きだ!今なら声を大にして、胸を張って言うことが出来る。
ライブでは、私の好きな『悲しみの果て』、『珍奇男』、『風に吹かれて』、『リッスントゥザミュージック』など聴けて感無量。
私は『奴隷天国』も好きだったので、歌ってくれて嬉しかったな。
宮本浩次、この人はいつも全身全霊で本気だ。私は彼の魂の熱さに共鳴する。
力強く、優しく、激しいステージに生きる力をもらった。
今からでも遅くないならば、私も人生という名の旅路を自分の思うままに生きたい。生まれてきたからには、もっと主体的に思いっ切り生き抜きたい。
そんなふうに感じさせてくれたエレファントカシマシに心から感謝する。
エレファントカシマシは、宮本浩次は、やっぱりかっこ良かった!
《エレファントカシマシ 35th ANNIVERSARY TOUR 2023 YES.I.DO / 2023.4.23大阪城ホール》
●第一部
Sky is blue
ドビッシャー男
悲しみの果て
デーデ
星の砂
珍奇男
昔の侍
奴隷天国
●第二部
新しい季節へキミと
旅
彼女は買い物の帰り道
リッスントゥザミュージック
風に吹かれて
陰りゆく部屋
ハナウタ~遠い昔からの物語~
四月の風
今宵の月のように
RAINBOW
朝
悪魔メフィスト
●第三部
風と共に
桜の花、舞い上がる道を
笑顔の未来へ
so many people
ズレてる方がいい
俺たちの明日
yes.I.do
ファイティングマン
●アンコール
待つ男
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