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『トーク・トゥ・ハー』レビュー

スペインの奇才、ペドロ・アルモドバル監督が贈る不思議で素敵な愛の物語。 この映画で軸となるのは、二組のカップル。 ジャーナリストのマルコは、ある日女闘牛士のリディアと出会う。互いに惹かれ合っていたが、愛は終わりを迎え、リディアは闘牛の試合中...
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戦争レクイエム三部作『父と暮らせば』『美しい夏キリシマ』『TOMORROW明日』レビュー

終戦から約80年。黒木和雄が遺した戦争レクイエム三部作は、後世まで語り継がれるべき映画である。 戦争体験者である監督が、広島、長崎、宮崎を舞台にそれぞれ描いた反戦の思い。どの作品も戦争映画にありがちな惨い戦闘シーンや殺戮の現場は出てこない。...
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『ドレミファ娘の血は騒ぐ』レビュー

世の中には、わけのわからん映画というのが存在する。 黒沢清監督の『ドレミファ娘の血は騒ぐ』(1985年製作公開)が私にとって、そんな映画だ。 二十歳くらいの時にたまたま深夜放送で観た。さながら実験映画のようだった。演劇的であると言ってもよい...
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『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』レビュー

私はサリンジャーの作品を読んだことがない。読んだことがないが、彼を描いた伝記映画『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』を観た。 なんの予備知識もなく観始めたが、「書くこと」とは作家にとってどういうことなのかの芯に触れた作品だった。...
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『キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語』レビュー

音楽で世界を変えれるのか。変えれる、と私は思う。 これは、アメリカで生まれたブルースの史実に基づいた物語である。 1941年、ポーランドからの移民であるレナード・チェスが、自身のレコードレーベル❝チェス・レコード❞を立ち上げ、アメリカの音楽...
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『恋人たちの予感』レビュー

男女にはセックスが介在する。だから、男女の友情は存在しないのか。非常に興味深いテーマのドラマチックコメディである。 メグ・ライアン演じるサリーは、ネクラで無神経を絵に描いたような男ハリーと出会う。もともと自分の親友の彼氏として紹介され、ニュ...
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『永遠に美しく…』レビュー

女性なら誰しも、若々しく美しくありたいもの。『永遠に美しく…』は、そんな女性の虚栄心や欲望をブラックタッチに描いたコメディである。 面白いだけでなく、美とは何か?について考えさせられる映画だった。 メリル・ストリープ演じるマデリーンは落ち目...
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『花束みたいな恋をした』レビュー

『花束みたいな恋をした』鑑賞。 菅田将暉と有村架純のW主演による本作は、恋人たちの5年間とその別れを描いたラブストーリー。 絹(有村架純)と麦(菅田将暉)は、ある夜終電を逃したことから偶然に出会う。 二人は大学生なのだが、行きたかったお笑い...
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『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』レビュー

この世には疑う余地のない才能というのが存在する。 ホイットニー・ヒューストン。彼女はまさしく、その一人であろう。 昨年公開されたホイットニーの伝記映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』を遅...
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『僕のワンダフル・ライフ』レビュー

人には人の人生があるように、犬には犬の犬生がある。猫には猫のニャン生もあるのだろう。 今回ご紹介する映画『僕のワンダフル・ライフ』は、犬が主人公の物語。 ある日、この世に生を受けた一匹の子犬。彼は、生後数か月で殺処分されてしまい、自分が何の...