映画

『パティ・スミス ドリーム・オブ・ライフ』レビュー

先日、パティ・スミスのドキュメンタリー映画『ドリーム・オブ・ライフ』(2008年公開)を手に入れた。 彼女は、パンク界の女王と呼ばれているが、その激しさの中に流れる詩的な一面が魅力の芸術家だと思っている。 1975年に発表したアルバム『Ho...
映画

『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』レビュー

バイオリン。その音色は、どこか愁いを帯びていて独特の艶めきがある。私がこの楽器に魅せられるのは、他のどんなものより気高さを感じられるからである。 私はクラシックには明るくないが、先日、現代ヴァイオリニストのデイヴィッド・ギャレットが製作主演...
音楽

『Live in Tokyo 1988 Milva&Astor Piazzora』レビュー

世界には、様々な文化がある。私は、学生時代、手当たり次第に本を読み、音楽を聴きまくっていた。 高校生の頃、イタリア文学者の須賀敦子の本と出会い感銘を受け、独学でイタリア語を勉強したりもした。もうほとんど忘れてしまったが。 家にはカンツォーネ...
映画

『ある天文学者の恋文』レビュー

『ある天文学者の恋文』(2016年伊)を観た。 私の好きな俳優、ジェレミー・アイアンズが出演していたから観たのだが、正直身につまされる思いであった。観たことを後悔していると言ってもいい。 この映画は、ジェレミー演じる天文学者とその教え子エイ...
映画

『コントロール』レビュー

以前、15以上歳の離れた男の友人が「ジョイ・ディヴィジョンを聴くと、危うく死にたくなる」と言っていた。 彼の家に行くと(彼はレコードマニアだった)、ターンテーブルにジョイ・ディヴィジョンのレコードが回っていた。それは、ひどく陰鬱で、深刻で、...
映画

『ファクトリーガール』レビュー

映画『ファクトリーガール』鑑賞。 1960年代のポップアートを巻き込んだ有名人、イーディ・セジウィックという女性の実話を映画化したもので、2006年公開。 良家のお嬢様だったイーディは、ある日、ファクトリーと呼ばれる芸術家たちがたむろする現...
映画

『台風クラブ』レビュー

昔観た映画で忘れられないのがある。とは言ってもリアルタイムで観たわけじゃない。 十代半ばの頃、読売テレビで深夜放送されていた『シネマダイスキ』という映画専門のプログラムがあった。その中で放送されたのが相米慎二監督の『台風クラブ』(1985年...
映画

『ロリータ』レビュー

今でも世界文学の中で最高と言われているのが、ナボコフの『ロリータ』だ。 ロリータと聞けば、ロリコンやゴスロリなどが思い浮かぶ人がいるかもしれないが、そういった文脈で語るのは避けたい。 今回はエイドリアン・ライン監督版の映画『ロリータ』につい...
映画

『ダメージ』レビュー

ファム・ファタールが出てくる映画は数あるが、こちらの作品を観て私はあらためてファム・ファタールというものについて考えてみた。 わかりやすく言えば、蠱惑性があるということなのだろうが、この映画のファム・ファタールであるジュリエット・ビノシュは...
音楽

エレファントカシマシ35th ANNIVERSARY TOUR2023感想

エレファントカシマシ35周年のツアーライブに行ってきた。 思い返せば、私がエレカシに出会ったのはもう27年も前になる。彼らの『悲しみの果て』を聴いて、すぐ好きになった。 シンプルで骨太なロックサウンド、宮本浩次のまっすぐな歌声に抗いがたい魅...